ムクロジエキスって何の効果があるの?副作用は?

ムクロジとは、ムクロジ科の落葉高木です。

寺院や公園などで見ることができ、冬季には落ちている果実を見かけることも。

2~2.5cmほどの可愛らしい果実です。

あまり知られてはいませんが、この果皮にはいくつかの変わった作用があります。

果皮をむくと黒色の実が現れ、これは羽根つきの玉や数珠に使われてきたもの。

ムクロジでは果皮に含まれる「ムクロジエキス」に興味深い作用があります。

1.泡立ち洗浄作用

ムクロジの果皮をむき、これを水につけて揉むようにすると、ほどなくして泡が立ってきます。

これはムクロジエキスに含まれる「ムクロジサポニン」の作用によるものです。

この作用から、日本でもムクロジエキスは洗剤として用いられてきました。

現代の国内では日常的に多くは用いられませんが、植物性天然の洗浄成分(界面活性剤)です。

洗浄のほか抗菌抗炎症の作用も併せ持ちます。

なおサポニンとはトチノキ、エゴノキ、ツバキなどの植物に含まれる一群の物質です。

身近なところではお茶にも含まれ、緑茶や烏龍茶の入ったペットボトルが泡立ちやすいことでも分かります。

2.インドでの歴史

インドではムクロジは「ソープナッツツリー」と呼ばれており、ムクロジエキスは洗剤として古来から現代でも使われています。

日本やインド北部で見られる種のムクロジは学名を“sapindus mukurossi”と言いますが、この「sapindus」とは「インドの石けん」を意味しています。

ムクロジエキスでは、石けんなどと比べてもソフトな洗いあがり、マイルドな泡立ちが特徴です。

シルクを洗う、貴金属を洗うなどデリケートな目的にも適しています。

インドでは古来より広く普及して今でも多く使われています。

3.生薬「延命皮」として

ムクロジの果皮を乾燥させたものは、漢方では強壮、止血、消炎、去痰効果などを持つ生薬としても知られます。

この場合は「延命皮(エンメイヒ)」と呼ばれます。

ただしムクロジの果皮には毒性があります、拾ったりしたムクロジ果皮について自己判断での「服用」は禁物です。

4.頭皮にも優しい

ムクロジサポニンは優しい洗浄作用を持ち、皮膚に刺激の少ないものです。

従ってデリケートな頭皮を洗うことにも、比較的相性が良いエキスです。

また抗菌抗炎症作用を持ち、生薬としても有用とされてきた点も、気にかかるところです。

育毛においては、頭皮環境が不衛生なのはもちろん良くありませんが、合成シャンプーや石けんで皮脂を落とし過ぎることも問題です。

洗い過ぎにより余計皮脂分泌が多くなることもあります。

また合成成分では刺激で炎症をおこすことも有りえます。

ムクロジエキスなど「サポニン」は、このような条件、即ち「洗浄力が高すぎず、低刺激であること」を上手くクリアしています。

今後研究や市民による実践が重ねられることにより、頭皮環境を整える成分として注目が高まることは十分考えられます。

現状、国内の一般市民が毎日の洗髪に必要なだけのムクロジエキスを集める栽培することは困難です。

この辺りはやはり多くの企業などがこの植物に着目するかにかかってくるでしょう。

5.毒性に注意

ムクロジの果皮は、ヒトでは服用した場合に毒性があります。

ムクロジサポニンの持つ性質です。

具体的には胃腸に障害を起こし、腹痛や下痢の原因となります。

ムクロジの果実は形の可愛らしさや、黒い種子の面白さ、また果皮の泡立ちで子ども達にも昔から人気です。

しかし子どもが口にしてしまわないように注意をしましょう。

この害はあくまでも食べてしまった場合に生じるものであり、ムクロジ果皮の泡が皮膚につくことは問題ありません。

ただし、どのような植物にもいえることとしてアレルギーを起こす可能性はあります。

ムクロジやエゴノキのエキスは「魚毒」として漁に用いられた歴史もあります。

とはいえ恐ろしい物質ではなく、サポニンの「界面活性剤作用」と魚のエラの関係によるものです。

※現在このような漁法は農林水産大臣の許可を得た一部調査研究以外では、一切禁止されています。

また特に毒性の強いサポニンは「サポトキシン」と呼ばれ区別されます。

なお、ムクロジの果皮にこの毒性があることにより、鳥などによる食害を自然に防げることになります。

農薬を使わないオーガニックエコロジカルな栽培ができるというメリットにつながっています。

6.外用での副作用は少ない低刺激

服用誤飲すると問題(あるいは生薬としての副作用)が起きうるムクロジエキスですが、洗浄または抗菌抗炎症の目的で皮膚に使った場合には、低刺激で副作用の心配は少ないものです。

7.環境に優しい洗浄成分

人体に使うものを含めた合成洗剤は環境への負荷が問題となっています。

石けんその他でもパーム油採取による森林破壊などの問題が言われています。

ムクロジエキスは古来から使われているものの、洗剤として現代の主流ではありません。

しかし環境面でもたいへん地球に優しく、また服用さえしなければ人体にも優しい成分です。

何しろ公園や林などでもごく自然に果実は落ちていますし、界面活性剤作用が漁などに使われたと言っても、大量に集めて投棄したりしなければ問題は起きません。

現代日本ではそれほど目立って使われていないムクロジエキスですが、現代の欧米では、ソープナッツ製品として様々な分野の洗浄剤に使われています。

ムクロジエキスや類する植物エキスを使ったシャンプーなども見られ、ホームメイドも盛んです。

日本でも古来から伝承されている成分ではあるものの、現代における積極的な使いこなしでは、インドはもちろん欧米が先を行っている印象です。

合成洗剤のような極端な泡立ちがなく優しい洗いあがりとなること、布や金属などさまざまな物質に害を与えにくいこと、環境負荷が低い点が評価されています。

8.自分で使うときは慎重に

日本ではムクロジの果実を拾ってくることや、時間さえあれば自分で樹木を育てることも、特に難しくはありません。

したがって個人でムクロジエキスの洗浄作用をためしてみることもできます。

しかし、この洗浄成分を自分の肌に使う場合は、目立たない部位でパッチテストを行うなどして慎重に行いましょう。

身近な小物などを洗うことから始めるのが無難です。

毒性は内服誤飲で問題になると言っても、外用でのアレルギー、想定しない化学物質の付着、また違う植物を誤用してしまう可能性も考えられるため、慎重に。

ムクロジエキスについて知ろう

ムクロジは日常見かける、さほど珍しくない樹木ですが、果皮に含まれる「ムクロジエキス」には天然の洗浄成分「ムクロジサポニン」を含んでいます。

ムクロジサポニンを含むムクロジエキスは、天然の優しい洗浄成分として、インドや日本を中心に古くから利用されてきました。

抗菌抗炎症の作用も持ちます。

ムクロジエキスには消炎効果などを持つ「生薬」として使われてきた歴史もあります。

果皮を服用誤飲しますと毒性がありますが、皮膚に外用するぶんには無害なものです。

外用時の副作用に関しては心配する必要の少ない低刺激成分です。

ムクロジエキスは環境負荷も低い洗浄成分として有用で、世界的にも徐々に再注目されてきています。

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